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投資の鉄人が投資銀行(Investment Bank)について詳しく解説

投資銀行(Investment Bank)とは?

顧客企業が有価証券の発行により資本市場からの資金調達をサポートし、合併や買収などの財務戦略でのアドバイスを行う金融機関です。
この名称は、個人などから預かった預金を元手に企業に融資を行う「商業銀行(Commercial Bank)」と区別するための用語です。商業銀行はその収益の大部分を主に企業に融資することにより発生する利息に依るのに対し、投資銀行の収益は株式や 債券の資本市場における発行時に発行額に応じて徴収する手数料に依ることが特徴です。投資銀行の具体的業務は、顧客企業に対して上述の通り有価証券の発行 による資本市場からのファイナンス、M&Aについての助言を行なう他、財務に関る部分では各種保有資産の流動化による資金調達(ex.不動産や ローン債権の証券化など)、金利や為替等のデリバティブズを用いた財務リスクヘッジがあり、極めて多岐に渡ります。「投資銀行業務」とは呼べないものの投 資銀行が手がけるビジネスとしては、有価証券やデリバティブズのトレーディングが挙げられます。トレーディングは投資顧問やヘッジファンドなどの顧客のた めに行うものと、投資銀行の自己勘定のために行うものがあります。日本では野村證券のような大手の証券会社やみずほコーポレート銀行のような金融グループ 内の法人向け銀行が投資銀行業務を手がけています。最近では金融業以外の業種が投資銀行業務に参入する例も目につきはじめています。近年、KPMG やPricewaterhouseCoopers等の監査法人やGCAなどの独立系のM&A専業ブティックがM&Aのアドバイザーとして ランキングに名を連ねるようになってきています。投資銀行発祥の地であるアメリカでは、ホールセール専業の投資銀行として設立されたゴールドマン・サック ス、株式ブローカーが投資銀行業務に進出したメリルリンチなどが有名です。尚、アメリカでは1933年に成立したグラス・スティーガル法により商業銀行業 務と投資銀行業務が明確に分離されていました(銀証分離とも呼ばれる)。モルガン・スタンレーはグラス・スティーガル法成立時に商業銀行となったJPモル ガンと袂を分かって成立しています。しかしながら、1980年代以降の規制緩和の中でグラス・スティーガル法の銀証分離規定も緩和されていき、バンク・オ ブ・アメリカやJPモルガンが証券子会社を設立することにより投資銀行業務に進出するなど死文化しています。しかし、銀証分離規定の完全な撤廃も幾度も議 論になっているが未だに正式に可決されていません。前述の通り、投資銀行は基本的に顧客の資金調達をサポートし、財務戦略アドバイザリーを提供することが 本業であり、自らポジションを取って投融資を行うことは通常行うことはありませんでした。しかし、銀行系証券会社が顧客企業の企業買収時に銀行融資による 買収資金の供与をコミットすることによりM&Aでのシェアを高めるにつれ、旧来の投資銀行も競争戦略上自らポジションを取って買収資金を供与する 事例が増えており、投資銀行と商業銀行の境界が薄れてきています。欧州ではスイス系のUBSやクレディ・スイスを始め、イギリス系の香港上海銀行 (HSBC)やドイツ系のドイツ銀行などが有名です。しかし、欧州にはアメリカのグラス・スティーガル法のような銀証分離を規定する法律がなかったことか ら、上記の大手金融機関は1つの法人が商業銀行業務と証券業務の双方の営業活動を展開しており、商業銀行、投資銀行あるいは証券会社ではなくユニバーサル バンクと呼ばれることも多くなっています。投資銀行が利益の大部分を占めている金融機関が増えてきています。日本において投資銀行という名称が広く知れ渡 るようになったのは、1990年代以降ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーのような米系投資銀行が高度な金融技術を武器に複雑な企業合併案件や 巨額の資金調達のアドバイザーに指名されるようになってからです。前述の通り、日本では野村證券、大和証券、日興證券のような証券会社が主に投資銀行業務 を担っていました。しかしながら、それらの証券会社はメリル・リンチのように個人向け有価証券のブローキング業務がかなりのウェイトを占めていることから 証券会社ではあっても、財務戦略のアドバイザリーなどの法人部門のウェイトが小さかったことから狭義の意味での投資銀行ではないという意見もありました。 しかしながら資本市場のグローバル化や規制緩和に伴って、大和証券と住友銀行が合弁で大和証券SBCM(現大和証券SMBC)を設立したり、日興證券とト ラベラーズグループ(後にシティコープと統合してシティグループとなる)の合弁で同じく日興ソロモンスミスバーニー証券(現日興シティグループ証券)を設 立するなどホールセール専業の本格的投資銀行が出現しました。また銀行系証券会社では、旧第一勧業銀行、旧富士銀行、旧日本興業銀行それぞれの証券子会社 が合併しみずほ証券が設立し法人に特化した営業を行い、三菱証券とUFJつばさ証券が合併して三菱UFJ証券が誕生し投資銀行ビジネスを拡大・注力するな ど、日本でも狭義の投資銀行という業態が活躍するようになっています。日本の法人向け銀行は(ex.旧日本興業銀行や旧日本長期信用銀行など)事業の大部 分を法人への融資に頼っており、投資銀行業務を行なっているとは言いがい状況でした。しかしながら、企業の負債圧縮が進行し銀行融資に対する需要がなく なっていく中、みずほコーポレート銀行は資産流動化や財務アドバイザリー業務などの投資銀行業務を積極的に手がけるようになり、みずほフィナンシャルグ ループの利益の9割近くをたたきだしています。日本でもアメリカのグラス・スティーガル法と同様に証券取引法第65条が銀証分離を規定していましたが、ア メリカと同様に緩和され銀行子会社の証券業務参入が認められ、みずほフィナンシャルグループやMUFGのような都市銀行を母体とする金融持株会社が出現 し、商業銀行と投資銀行を傘下に置いています。また、平成18年度に証券取引法とその他の金融商品に関する法律を合わせて抜本改正された金融商品取引法 (投資サービス法も内包)が可決され、銀証分離規定が廃止され銀行による証券業務参入と証券会社による銀行業務参入が自由化され、欧州型のユニバーサルバ ンクへの道が開かれることになりました。また、日本ではノンリコースローンやプロジェクトファイナンスなどの、担保物件の価値ではなく企業やプロジェクト が将来生み出すキャッシュフローに依拠して融資判断を行う、先進的な融資も投資銀行業務の一部と言われることもありますが、それらは商業銀行が預金やイン ターバンク市場から調達した資金を元手に融資を行うものですから、厳密な意味では投資銀行業務とは呼べない、という意見もあります。

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