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投資の鉄人が金融緩和について詳しく解説

金融緩和とは?

金融政策(monetary policy)は、中央銀行が行う金融面からの経済政策のことです。
物価や通貨価値の安定、さらに景気対策の一環として、金融引き締め、金融緩和を行います。手段は、公定歩合(金利政策)や預金準備率を変更したり、公開市場操作を行ったりします。
また、操作の目標として金利かマネーサプライ、その結果としての為替レートなどが上げられます。
金融政策の最終的な目的は、経済を持続的に拡大させることと言えますが、このために物価上昇率の安定に重きを置き変動を回避すべきと考えるか、経済成長に重きを置いて物価や通貨価値の安定よりも失業の防止などを優先すべきであるかは、考え方の分かれるところです。日本では、中央銀行である日本銀行が行っています。
日本経済の高度成長期である1960年代前後の金融政策は、公定歩合操作による金利政策が中心でした。
その後、70年代の田中角栄による日本列島改造計画やオイルショックなどによるインフレーション、また、オイルショックの反動として起こった経済のゼロ、マイナス成長と、さらに為替レートが固定相場制から変動相場制に移行して為替の乱降下などが繰り返されるに及び、金融政策は物価、景気、為替などをそれぞれ同時に視野に置きながら、運営を行わなくてはなりませんでした。
それ以降も、金融自由化、国際化、さらに市場メカニズムに委ねる経済時代が到来して、日銀の金融政策は様々な政策手段を活用せざるを得なくなってきました。ただ、金融政策だけでは対応に限界がある場合には、財政政策を組み合わせたポリシー・ミックスによって政策効果を上げるという考え方が1つの流れとなってきています。
しかし、ポリシー・ミックスといえども、かつて起きたスタグフレーションという不況下の物価高という状況下では、不況克服にウエイトを置くのか、物価抑制に焦点を合わせるのか、またその場合、財政・金融政策ではどういったバランスをとるのかという難しさがあります。主な金融政策について紹介します。
まずは公開市場操作。これは、日銀が一般企業や個人も参加する公開(オープン)の金融市場で、流通している有価証券を買って市場に通貨供給する買いオペ、逆に、保有する有価証券を市場で売って通貨を吸い上げる売りオペを行い、結果的に市場金利の水準を変化させることを言います。また、預金準備率操作は、日銀が金融機関の預金や金融債などを、ある一定率、無利子で日銀に預け入れさせ、金融引き締めあるいは緩和時に、その預け入れの割合である預金準備率を増やしたり減らしたりします。
金融政策の目標は大別して、金利とマネーサプライに分けられます。この二つを同時に目標にすることは通常不可能です。通常の循環
的政策においては、金利水準が目標となります。しかし、過熱あるいは過冷気味の景気に対して、まれにマネーサプライが目標とされます。有名な政策に、1970年代後半にFRBのボルカー議長が採用した新金融調節方式があります。
これは、それまで金利水準を目標にして行ってきたインフレーション対策が限界に達したため行われたもので、マネーサプライを目標としています(増加の抑制が目的)。
この結果、金利は上放たれ急上昇しました。1980年代初頭にまでいたる、高金利の時代を生み出しました。
この政策により、実質金利を高めることが出来、インフレーションは沈静化しました。このように金利を目標としな
くなることで金利の変動は激しくなります。1990年代後半から2000年代前半の日本では、景気が悪化し、物価の下落傾向が続いたため、日銀は金融緩和
を行い短期金利はほぼ0%にまで低下しました。しかし、これによっても物価の下落が止まらなかったため、それ以上の緩和を求める声が強く、2001年から
2006年にかけての5年間、日本銀行の当座預金残高を目標にした量的金融緩和が行われました。日銀当座預金残高を目標とすることは、マネーサプライの代表的な指標であるM2+CDなどの量や伸びを直接目標としたものではありませんが、日銀当座預金はハイパワードマネーの一部であり、信用創造によってマネーサプライとの間には関係があるため、マネーサプライを目標としたものと言えます。
この政策は、特殊な場合を除けば金利はマイナスにならないという制約
があるため、金利を目標とした金融緩和が限界に達したため採用されましたが、効果については評価は定まっていません。金融政策は、物価変動の抑制や景気改善のために独立した政策を打つことが求められますが、経済構造上で制約を受ける場合があります。
固定相場制において、中央銀行は相場維持のための無限介入が必要です。このことが、独立した政策を行う上で大きな制約となります。
例えば、小国の中央銀行が、買いオペで金利を引き下げてマネーサプライを増やし、
景気を良くしたいと考えたとします。しかし、為替相場を固定している大国の金利より下げた場合、自国で増やしたマネーは利ざやを求める裁定取引により流出することになります。
この流出は、中央銀行が買いオペで放出した通貨が、自国通貨売りの取引殺到により中央銀行にすべて戻るまで続きます。
結果、金利は前と同じになり、景気浮揚効果を持ちません。このため、固定相場制において小国は金利を操作することが事実上不可能になります。また、大国であったとしても、その他の大国との取引において上記の制約がまったく無いわけではありません。
欧州が通貨統合(事実上、複数国による固定相場制導入と同義)を行った結果、金融政策担当が各国の中央銀行ではなく欧州中央銀行(ECB)になったのは、このような背景があるからです。一般的に、金融政策は利子率へ影響を及ぼし、金利が民間投資(設備投資)に影響を与えることで実体経済へ影響を及ぼします(※民間投資には広義では家計の住宅投資も含まれます)。しかし、これには前提があります。
それは民間投資が利子率に反応するということです。これが利子率弾力性であり、利子率の変動に対して民間投資がよく反応するほど弾力性
が高いといえます。この弾力性が著しく低い場合は、金融政策と実体経済のリンクがなくなっている状態であり、金融政策の効力は低下します。利子率弾力性が
高い状態とは、「融資さえ受けられれば投資したい」と考える企業家が十分な量、存在する状態であり、投資案件に事欠かないような状態です。投資案件がない状態では、いくら利子率が低下しても投資など発生しないため金融政策は無力化することになります。
流動性の罠が発生している状況では、金融政策は無力化します。中央銀行は貨幣を発行する権限を持つため、常に政府との距離が重要となってきました。政府は、支出をより増やしたい欲求と、増税への抵抗を忌避する
性質があるため貨幣発行を財源としたい動機があります。
もし中央銀行に十分な独立性がないならば、政府の言うがままに貨幣を発行する可能性があります。無尽蔵の貨幣発行は、金利を低くとどめます。民間投資が増加し、インフレーションが発生するが、潤沢な貨幣発行により金利が上昇せず、実質金利は低下します。
この結果、民間投資・消費の増大に歯止めがかからなくなり、総供給が総需要を満たせなくなるためハイパーインフレーションが発生します。ハイパーインフレーションは貨幣への信用喪失であり、著しい経済的損失が発生します。
このため中央銀行は政府から独立していなくてはなりません。

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